院長コラム

眼瞼下垂の術後1ヶ月

当院では眼瞼下垂の術後の診察は、通常、
術後5日目、1ヶ月目、3ヶ月目、6ヶ月目、1年目にお越しいただいています。

このうち、術後5日目(5~7日目で調整可能)の診察時には抜糸を行いますが、
それ以外の1ヶ月目、3ヶ月目、6ヶ月目、1年目の診察は、
手術の効果がどうであったかを診たり、不都合や不安を感じている点はないか、
経過に異常は見られないかをお聞きするためのものです。

100人手術して100人とも問題ありませんということであれば、
抜糸のときだけでいいのですが、
どのような眼瞼下垂の名医であってもそれはありませんので、
術後の診察はとても重要なこと考えています。

術後の経過に問題がないとなかなか1年後まではお越しいただけないのが現状ですが、
患者様方におかれましては、診療の向上のため、
術後の診察になるべくお越しいただきますようご協力いただきたく思います。
その際にはこのような簡単な調査票を記入していただきます。

まず最初に術後1ヶ月の時点での患者様の手術に対する満足度調査の結果を提示しましょう。
母集団の数は、2015年6月~7月に手術を受けて7月~8月に術後1ヶ月の診察にお越しいただいた34人です。

これによると、約70%の方が手術を受けて「かなり良かった」と回答し、約25%の方が「少し良かった」と回答されており、
合計すると約95%の方が手術を受けて良かったと回答いただいています。
どちらとも言えないという方が約5%いらっしゃいますが、
手術を受けて良くなかったと回答された方はお一人もいらっしゃいません。

皆様はこの数字をどのように解釈されますでしょうか?
術後1ヶ月ですと、大まかな腫れは引いていますが、まだ最終的に完全には落ち着いていない段階です。
その状態で約95%の方に手術をして良かったと回答いただいており、
手前味噌になりますが、この満足度調査の数字はかなり誇っても良い数字だと自負しています。
(そもそもこのような統計を生真面目に取っている施設がほとんどないのではないでしょうか。)

さて、次に、眼瞼下垂の術後1ヶ月にお越しいただいた方は
診察時にどのようなことに不都合や不安を感じているかを見てみましょう。

訴え 割合
腫れ 29.4%
目やに 5.9%
異物感 11.8%
かゆみ 5.9%
左右差 11.8%
つっぱり感 5.9%
まぶしい 11.8%
視界がぼやけた感じ 5.9%
訴えなし 41.2%

 

上から順に見ていきます。

(1)腫れ
当院では眼瞼下垂手術の術後の腫れは2~3週間程度と説明しています。
実際におおまかな腫れはこれで引きますが、微妙な腫れやむくみなどはもうしばらく続きます。
術後1ヶ月の時点では約30%の方がまだ腫れていると感じているようです。
この時点でまぶたの腫れを訴える方に対しては、
「まだわずかに腫れて感じるかもしれませんが、そのように感じる方もおられます。
もう少しすると気にならなくなると思いますよ。腫れは必ず引きますのでご安心下さい。」
と説明しています。

(2)目やに
まぶたを操作するような手術の場合、しばらく目やにが多めに出ます。
これは切開をしないような二重の埋没法であってもそうです。
目やにの量は人によって差がありますが、術後しばらくは全ての方に目やにが出ます。
これも時間と共に回復していきますが、術後1ヶ月の時点では約5%の方がまだ目やにが多いと感じているようです。

(3)異物感
眼瞼下垂の術後しばらくの間は、まぶたの異物感を感じることがあります。
これはまぶたが腫れていたりすることで、まぶたの裏側が眼球を圧迫することによるものと思われます。
また、術後しばらくはまぶたの結膜面の表面が腫れなどで不整になっていることがあり、
それによっても異物感を感じることがあります。
このような症状も時間経過とともに軽快していきます。
ただし、強い異物感を感じる場合は速やかに診察を受けてください。何らかの処置が必要な場合があります。
今回統計を取ったケースでは、術後1ヶ月では約10%の方が軽度の異物感を訴えていましたが、
何らかの処置が必要と判断されるケースはありませんでした。

(4)かゆみ
傷が回復してくるとかゆみを感じることはよくあります。
眼瞼下垂の術後1ヶ月でも約5%の方にそのような訴えがありました。特別な処置は不要でそのままの経過で消えていいきます。

(5)左右差
上まぶたの手術の場合、二重とも関わっているため、
当然のことですが、見た目の微妙な差も気になります。
術後1ヶ月ですと、まだ腫れも微妙にあったりするので最終的な仕上がりとはいえませんが、
約10%の方が何らかの左右差を感じているようです。
時間経過で左右差がなくなるケースもありますので、
緊急性がなければ、この時点では経過を見ることとなります。
この数字だけ見ているとわかりませんが、
実際に診察をしていると、大きな左右差はかなり稀で他人から見るとそれほど気にならない程度のものがほとんどです。
しかし、最終的に再手術を要するケースも5%程度ありますので、
手術前にも説明していますが、再度説明させていただいております。

(6)つっぱり感
時間が経過してまぶたの傷が柔らかくなるまではつっぱり感を感じる方もいるだろうことは想像がつきますが、
今回の調査では術後1ヶ月の時点では約5%いるということになります。

(7)まぶしい
術前の眼瞼下垂の程度にもよりますが、
術後は瞳孔を通して眼球に入ってくる光の量が増えますので、
まぶしくなったと感じる方が術後1ヶ月の時点で約10%いるということになります。
まぶたが瞳孔を覆っていた割合によってある程度予測できますが、
重症な眼瞼下垂の方ほどそのように感じやすいでしょう。
時間経過とともにまぶしさも感じなくなります。

(8)ぼやけた感じ
患者様によっては、
「術後まぶたは開きやすくなったが目が悪くなったように感じる。」
という方がいらっしゃいます。
眼瞼下垂はまぶたの手術なので、実際上目が悪くなったわけではないのですが、
まぶたが開け易くなり、瞳孔を通してたくさんの光が入ってくると、
カメラの絞りが開いた状態と同様となり、ピントの合う距離が短くなります。
このあたりのことはカメラの仕組みに詳しい方だと容易に理解できると思いますが、
カメラの仕組みについての理解がないとなかなか理解しにくいかもしれません。
カメラで言うところの「被写界深度が浅くなる」という現象が起きているのですが、
カメラの原理までここで説明するのはキリがないので、
詳しく知りたい方はネットでお調べいただくか、カメラの本で研究されると良いと思います。
いずれにせよ手術の不備によるものでは全くないわけですが、
術後1ヶ月の時点で約5%の方にそのような訴えがありました。
これも術前の年齢や眼瞼下垂の程度によってある程度予測がつきます。
高齢な方で老眼がかなり進んでいる方、重度の眼瞼下垂の方はこのような現象が起こり得ることを知っておいてください。
対処法は眼科で眼鏡やコンタクトレンズの調整をしてもらうことになります。

(9)訴えなし
術後1ヶ月の時点で何らの訴えのない方は約40%でした。
これは多いと感じますか少ないと感じますか?
かなりささいなことも細かく聞いているのでこのような数字ですが、
手術を受けた方の約95%が満足されていることを付け加えておきます。

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この記事の監修

エースクリニック 院長:
竹内孝基 医師

電話:0120-764-912

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