院長コラム

眼瞼下垂手術 保険適応の基準

眼瞼下垂は健康保険が適応される疾患です。

「眼瞼下垂の定義」でも述べたように、眼瞼下垂ははっきりとここからが正常、ここからが異常といった境目がないので、個々のケースにおいて総合的に判断されているのが現状です。眼瞼下垂と診断されれば基本的に健康保険を使って治療できるわけですが、微妙なケースの場合、ある医療機関では眼瞼下垂ではないと言われたけれども別のところでは眼瞼下垂であると診断されることもあり得るわけです。眼瞼下垂と診断されるかされないかは患者さんにとってとても大きな違いと言えます。ただ実際の診療上、微妙なケースというのはほとんど見かけず、患者さんが自分は眼瞼下垂ではなないかと思っている方のほとんどは実際に眼瞼下垂です。

偽性眼瞼下垂に健康保険が適応されるかという問題

ただしここで一つ問題となることがあります。一重まぶたであるがためにまぶたを開けにくく感じている状態や上まぶたの皮膚がたるんでしまったためにまぶたを開けにくく感じている状態(上眼瞼皮膚弛緩症)、すなわち偽性眼瞼下垂症と呼ばれるものを眼瞼下垂として治療して良いかという問題です。実際に偽性眼瞼下垂症を眼瞼下垂として保険治療してくれるかどうかは各医療機関によって違います。

これは偽性眼瞼下垂という表現がまた話をややこしくしているように思いますが、果たして偽性眼瞼下垂は「ニセの眼瞼下垂であって眼瞼下垂ではない」のか「眼瞼下垂症の中の一つの分類なのだから眼瞼下垂」なのかどうか。眼瞼下垂を扱うウェブサイトを見ても、ここの扱いは様々です。

10年以上前の眼瞼下垂症の教科書を見ると、偽性眼瞼下垂症という言葉も出てこないのですが、皮膚弛緩症ははっきりと眼瞼下垂症とは別枠で論じられています。つまり一昔前は偽性眼瞼下垂症というのは明らかに眼瞼下垂とは別個のものと捉えられていました。眼瞼下垂とはあくまで瞼縁が下がってくる状態のことのみを意味していたわけですね。しかし、眼瞼下垂とは上まぶたが開きにくいためにQOV(Quality of Vision:見え方の質)が低下するから治療する必要があるのだという最近の考えに立ち、偽性眼瞼下垂であってもQOVが低下するのだから眼瞼下垂の一分類として治療しようという考え方に最近はシフトしているように思います。上まぶたの開き具合を客観的な数値で測る場合にも、上眼瞼縁の位置(MRD-1)のみではなく上方視野角の欠損も指標に取り入れているのは、偽性眼瞼下垂も眼瞼下垂なのだという思想が色濃く反映されています。

最終的には各医療機関の判断

実際のところ偽性眼瞼下垂症を眼瞼下垂として健康保険適応で治療して良いともいけないとも保険診療規則上明示されているわけではありません。そのため、健康保険適応で治療してくれるかどうかは、各医療機関が個々に判断している状況です。

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この記事の監修

エースクリニック 院長:
竹内孝基 医師

電話:0120-764-912

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